メガネはこうして出来上がる!レンズ発注から、メガネが出来上がるまで。
こんにちは、人にやさしく、メガネにもやさしい、福井県福井市のメガネ店、SAKAIです。
坂井さん、メガネはどうやって出来上がるんですか?
時々お客さまから、こういうご質問を頂くことがあるので、
今日は、メガネレンズが出来上がるまでの過程をご説明させて頂きます。
①レンズを発注する。
レンズ発注する前に、わたしの場合は、お客さまの顔写真を撮らせて頂いて、
それを実寸大に拡大し、イラストレーターで、
瞳孔距離の位置、アイポイントを正確に測定して、設計を決めるのですが、
まあこれは、割愛させて頂きます。
レンズの発注方法は、下記2点です。
- パソコンでオーダーをする
- パソコンでオーダー出来ない、製作範囲外の特注レンズは、
専用のオーダー用紙に、玉型を描き写し、FAXでオーダーする。
お客さまの度数が製作範囲外の場合、稀に手描きで玉型を描き写して、
FAXでオーダーするのですが、大体がパソコンでオーダーをしています。
②パソコンに度数を入力する。
検査の時に出したメガネの度数、そして、顔写真を実寸大に拡大して設計した、
アイポイント、瞳孔距離をここで入力します。
フレームカーブに合わせて、レンズカーブを変えることで、
見た目的にも綺麗に仕上がるため、
ここでレンズカーブもフレームカーブと揃える設定を行います。
③レンズの形をトレースする。
当店のレンズは、ほとんどが特注レンズのため、
まずは、メガネの形を「トレーサー」と呼ばれる機械で読み込みます。
この作業を行うことで、メガネフレームの形に合わせて、
「見え方」が最適になるように、レンズメーカー側に指示を出します。
そして、遠視の方の場合、レンズが分厚くなりやすいため、
レンズが薄くなるような「薄型加工」と呼ばれる工夫も、ここで行っていきます。
④レンズが仕上がってきた!
いちばんスタンダードな形のいわゆる「丸生地」と呼ばれるレンズです。
カールツァイスや、HOYAの雅、極は「アンカット」と呼ばれるレンズで届くため、
メガネレンズの形をトレースしたら、その形にレンズが仕上がって来ます。
「丸生地」も「アンカット」も、この状態では、メガネにセッティング出来ません。
この丸い生地を、加工機を使って、メガネの形に削ります。
⑤加工機でレンズを削る!
上のレンズを、メガネの形に合わせて加工機で削ることで、
メガネの形と同じレンズが出来上がるため、
これをメガネフレームにセッティングして、お客さまにお渡しとなります。
加工の際に乱視軸がズレないように、しっかりとズレ防止を行いながら加工をしないと、
仕上がってきたら、平気で20度ぐらい軸がズレていた!なんてことになり兼ねません。
ロープライスショップのメガネは、加工も技術力がない人が担当していることが往々にしてあるため、
瞳孔距離の設定をしていなかったり、軸がズレていて、
度数どおりに仕上がっていないこともまあまああります。
加工も非常に技術の必要な精密な作業です。
メガネレンズの価値は分かり難い。
メガネレンズは、安い物から高い物まで色々あって、その価値が分かりづらいですよね。
当店で扱っているレンズはほとんどがオーダーメイドのレンズになるため、
こういう細かい工程を沢山経ることで、新しい度数に変わっても慣れやすい、
レンズの隅々まで見える広くて快適な視界、などなど、
お客さまに負担がかからないような工夫がたくさん詰まっています。
安いレンズには、こういう工程がないので、既製品のレンズを、
加工機で削って、メガネにセットするような感じになります。
例えるなら、自分の身体に合ったスーツをオーダーメイドで仕立てるか、
既製品のスーツを、何となくで着ているか、ぐらいの違いはあります。
検査度数を、しっかりと見え方に反映して、快適なメガネを作るためには、
こうした、たくさんの工程が必要というわけですね。
「レンズ」には、快適になるための秘密がたくさん詰まっていることが、
少しでも伝わって頂けたらわたしも嬉しいです!