【事例紹介】気が付いたら、片目を使っていなかった!強度近視のメガネ選び。視機能編。
こんにちは、人にやさしく、メガネにもやさしい、福井県福井市のメガネ店、SAKAIです。
今回は、お客さまがお写真撮影にご協力して下さったため、
強度近視の方のメガネ選びも兼ねて、視機能編とメガネ選び編で、
2回に分けてお届けさせて頂きます✨
まずは視機能編から。本日ご紹介させて頂く事例は、
気が付いたら「片方の眼を使っていなかった」という事例です。
以前ご紹介させて頂いた近くを見るときに実は片眼しか使っていなかった
という事例と同じ症例です。
まあ、かなり大きな両眼視不良が隠れておりました。
事務職(30代・女性)
坂井さん、こんにちは!初めまして。
どこでメガネを作っても調子が悪くて、困っています。
自分の身体に合ったメガネを作りたいと思っています。
本日はどうぞ宜しくお願いします<(_ _)>
Aさま、初めまして!
なかなかに深刻な状況だとお見受け致しますので、
本日はメガネ選びも含めて、どうぞ宜しくお願いしますね✨
上下プリズムが入ることも考慮して、メガネ選び!
詳しいメガネ選びに関しては、パート2の「強度近視編」で書かせて頂きますね~。
こちらのお客さま、-7.50の強度近視+8.5△の上下プリズムが入るため、
そのことを考慮した上で、メガネ選びをさせて頂きました。
乱視もかなり強いため、見え方を重視させて頂いて、
隅々まで綺麗にクリアに見え、なおかつ夜間や、曇天時に、
明るく鮮やかな視界で、立体感を出してくれることに定評のある、
カールツァイスのドライブセーフレンズで製作させて頂きました。
それでは眼の状態を分析していきます。
使用眼鏡
R)S-7.25 C-1.75 AX2° ×0.4
L)S-6.00 C-1.75 AX170°×0.4ぼんやり
眼位:
(遠方)大きな右上斜位の動き
(近方)右眼で抑制(右眼を使用していない)/ 左 単眼固視で眼振
NPC:6cm以内(分離あり)
追従:NO(全体的にぎこちない)
まず、視力からしても、完全にアウトです。
両眼になったときも0.4しか視力が出ない。
こちらの方は、コンタクトレンズも併用されていて、
コンタクトレンズはもう少し見えている、とのことですが…?
ただ一番大きな問題は、カバーテストで大きな右上斜位が見つかり、
なおかつ、近方で完全に利目ではない「右眼」が抑制してしまい、
片目でしか近くを見られなくなってしまっていることです。
これは、両眼視不良をきちんと拾えるメガネ店さんでないと、
どこで作っても調子が悪くて当たり前です。
測定度数(1回目のメガネ合わせ)
R)S-8.00 C-2.25 AX165°4△BD ×0.8
L)S-7.25 C-3.75 AX175°4△BU ×0.8
眼位:
(遠方)右:正位 左:外斜位
(近方)正位
NPC:6cm以内
追従:YES(改善)
PD=33.0/29.0
現用メガネと比較して見つかった、改善が必要なポイント!
・右眼で3段階の近視未矯正、2段階の乱視の未矯正、163°の乱視軸のズレ
・左眼で6段階の近視の未矯正、8段階の乱視の未矯正、5度の乱視軸のズレ
・右上斜位という大きな視線のズレ
視線のズレはまだ発見できなかったとしても、
たたき台で有るはずの7番Aからして、大きくずれています…💦
うーん…。メガネはもちろん、見えていませんが、
恐らくコンタクトレンズも弱めをお使いじゃないですか?
本来、1.0まで視力が出ても良い眼をお持ちにも関わらず、
視力が0.8から上がって行かなくなってしまってるし、
8△を入れても、脳の中で映像が一つにまとまりません。
とりあえず、今回出た度数を数カ月ほど常用して頂いて、
もう一度メガネ合わせをやりますので、再度ご来店下さい。
確か今のコンタクトレンズ、乱視の矯正もしていなかったように思います…
メガネよりは見えてると思っていましたが、
それで視力が上がらなくなってしまうなんて…。
それに、自分では、両眼でしっかりと見ていると思っていたので、
今回こちらに伺うまで、まさか右眼を使っていなかったなんて思いもしませんでした。
Aさん、こんにちは!本日は2回目の検査ですが、あれから調子はどうですか?
メガネの見え方にはすぐに慣れたんですが、
やはり長時間のデスクワークをしていると、
疲れてくると左眼が痙攣しますが、
それ以外は特に不自由は感じておりません。
本日も検査、宜しくお願いします!
測定度数(2回目のメガネ合わせ)
R)S-7.50 C-2.50 AX175° 4.25△BD ×0.9
L)S-7.25 C-3.50 AX180° 4.25△BU ×0.8
PD=31.5/30.5
メガネを常用して頂いたことで、ここが変化しました!
・上がって行かなかった右眼の視力が、0.8→0.9のうち2つまで文字が拾えるようになった。
・右眼の球面値2段階変化し、頑張って物を見なくても良くなった。
・右眼の最小錯乱円が変化することで、10°乱視の軸が変化した。
・8△までしか処方できなかったプリズム処方が、もう1段階処方できるようになり、
より、調節に負担がかからないメガネが作れた。
・使っていなかった右眼で瞳孔距離が大きく変化した。
これからに期待!
大分良くなってきたんですが、利目の左眼で、
ピントを合わせるための調節ダメージが残っており、
最初と最後で、疲れてくると最高視力が下がる傾向にありました。
予備検査で調節効率検査もやりましたが、時間が経ってくることで、
特にマイナスレンズにピントが合わせられなくなってきました。
これがAさんの主訴、
「長時間のデスクワークをしていると、疲れてくると左眼が痙攣します」に繋がっていると思われます。
ただ、前回と比較すると、かなり良い方向に変化してきているので、
しばらくはこのまま塩漬けにして、更に視機能が整って来るのをゆっくりと待ちます。
焦らずに、ゆっくりゆっくりと、身体を治していって下さいね(^^)
今回は、こちらのAさまが、強度近視のメガネ選びの製作事例にご協力頂いたので、
次は、メガネ選びについての事例紹介も書かせて頂きます。
後編は下のリンクからどうぞ!
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