【事例紹介】夕方以降の運転で、遠くがボケて見づらいのは、外斜視が原因だった!

【事例紹介】夕方以降の運転で、遠くがボケて見づらいのは、外斜視が原因だった!

こんにちは、人にやさしく、メガネにもやさしい、福井県福井市のメガネ店、SAKAIです。
本日ご紹介させて頂くのは、古くからのお付き合いの常連のお客さま、Nさまです。
Nさまですが、いわゆる「専門店」という触れ込みのメガネ店で、
メガネを作られていたのですが、(どうにも調子が悪い…)という想いを抱えながら、
お目当てのメガネフレームが当店にあったことから、
ふらりと当店にご来店頂いた事がきっかけで(当時はまだ予約制じゃなかった!笑)、
度数、上下斜位、外斜視(間欠性)の未矯正が合わせて見つかり、
ガッツリと補正を行ったことで、とても調子が良くなったとのことから、
そのままずっとお付き合い下さっている有難いお客さまです✨
先日、斜位量の変化があり、ご来店された時に、当時の懐かしい思い出話も込みで、
メガネの感想をお聞かせ下さったこともあり、
事例できちんとご紹介させて頂くことになりました。

30代(男性・技術職)
坂井さん、こんにちは!
夏に作って下さった、近用のメガネ、快適です!
最初の3カ月ぐらいは中々見え方に慣れなくて、
しんどい時期もありましたが、メガネに慣れてからは、
特に長時間の近業作業をし続けた後の目の疲れ方が、格段に違う!
と思うことが多くなり、本当に作って良かったです!
あの時、薦めて下さって、本当にありがとうございました。

わー!調子が良くて良かった!
元々両眼視が弱い傾向にありますし、
もちろん眼を使う以上、眼精疲労がゼロになるわけではありませんが、
お悩みの解決に繋がってわたしも安心しました。
かなりガッツリとプリズム補正したので、
きちんと使えているか心配だったんですが、
信じて乗り越えて下さって本当にありがとうございました!
まあ、慣れるのに3カ月はかかって当然です笑 がっつりやりましたから笑

夜の見え方が何かおかしい…

夏にご連絡を頂いたきっかけが、夜の見え方の違和感でした。

坂井さん、何だか最近、夜の運転や映画館で、
遠くがボケて見づらさを感じるんです。
前回、坂井さんから、OPDスキャンの結果、
夜間近視の可能性がある、と言われたと思うんですが、
やっぱり夜間近視が原因でしょうか?

ということで、一度ご来店頂いて、夜間近視の検査も含めて、
遠方が見づらい、という原因は一体どこから来るのか?
こちらでみっちりと検査をさせて頂きました。

それでは眼の状態を分析していきます。

フレーム:ルノア レンズ:非球面単焦点レンズ
お手持ちのメガネを近く用のメガネとして、レンズ交換をさせて頂きました。
※ご新規のお客さまのお持ち込みは承っておりません。

使用眼鏡

R)S-2.00 C-1.00 AX150°1△BU 1.75△BI
L)S-1.25 C-2.25 AX180°1△BD 1.75△BI

測定度数

R)S-2.00 C-1.00 AX150°1.5△BU 3.25△BI
L)S-1.50 C-2.50 AX180°1.5△BD 3.25△BI
※左眼の球面、乱視の差は、ほぼ誤差の範囲と考えられる。
=見づらさの原因は遠用度数ではない。

現用メガネと比較して見つかった、改善が必要なポイント!
・斜位量が上下2△→3△に変化、水平3.5△→6.5△(近方)まで変化
・遠方と近方で斜位量が違うため、近業作業用のメガネを作り足すことになった。

少し難しい話になるんですが、実はNさん左眼に間欠性の外斜視があり
もともと遠方と近方で外斜位の斜位量が違っていました。
検査をした当時は、30代前半だったことと、
調節力がまだまだあることから、近方での症状もなかったため、
上記の「使用眼鏡」の度数で様子を見ることにしました。
それが加齢に伴い、100あった調節力(ピントを合わせるための力)が
70ぐらいに低下してしまいました。

そのため、近方の大きな斜位量を、少なくなってきた調節を使って補うことが、
だんだんと身体に負担になってきました。
Nさんのご職業は、近業作業が多い、技術職で、
斜位の補正の方に、少ない調節を使ってしまうので、
仕事が終わる夕方にはスタミナ切れが起きてしまい、
遠方にピントを合わせるための力が残っていないことから、
「遠方がボケる」という症状が起きていたことが判明しました。

Nさん、今感じていらっしゃる症状は、
「夕方以降の遠方のボケ」だと思うんですが、
近くをしっかりと頑張らないと見続けられないから、
文章なんかも読みづらさを感じていらっしゃるんじゃないでしょうか?
ちょっと、ここにある冊子とか文庫本を一度読んでいただいて良いですか?
それから映画館も、仕事帰りの夜に行かれていたんではないですか?

あっ…そう言われてみれば…。映画も夜でした…!
~現用メガネで文章を読んでもらう~
横は大丈夫なんですが、何となく、縦文字だと、
今使っているメガネでは、行を飛ばし読みしているような気がします!
そういえば、何となく前から、文章が頭に入ってこないな、
と思っていた気がします。
僕ずっと(もう年で集中力がなくなってきたのかな?)
って思ってたんですが、そうじゃなかったんですね。
今検査してもらったメガネだと、
すごく集中しなくても読めるような気がするし、
行を飛ばす感覚がないような気がします。

Nさんのご職業が、遠方しか見ないような、
タクシーやトラックドライバーなら、
今回のような症状も出ないと思いますが、
やはりご職業柄、かなり近業作業も多く、目に負担がかかりやすいので、
今回のような症状が出てくるんですね。
今回から、遠くを見るためのメガネと、
近くで長時間集中して作業をし続けるためのメガネ、
という風に分けた方が良いと思いますよ。

というやりとりの後、プリズム量の変化がないかどうか(プリズム適応現象)など、
更に精密な検査を繰り返した後、Nさんは、近業作業用のメガネを作ることを決意し、
結果、半年後には、とても身体が楽になった、ということになりました。

斜位量は年齢と共に変化する。

個人的にお客さまの眼を拝見していると、
年齢の「節目」。この付近で、斜位量が変化しているな、と思います。
40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳。この辺は要注意です。
それから定年退職など、ライフスタイルが変わった場合にも眼は変化する傾向にあります。
そもそも「斜位」「斜視」は、目を支えている6本の筋肉(眼筋)の強弱に原因がありますが、
年齢と共に、筋力が衰えて、白髪や皺が増えてくることと同じように、
眼を支えている筋肉も衰えてくることで、眼の状態が変わっていき、
今回のケースのように、斜位量も変化していく傾向にあるように思います。

白髪や皺が出なくて、いつも15年前の顔だったらなぁ、とわたしも思いますが、
なかなか「老化」を防ぐ、ということは難しいことですね。眼も同じです。
今回のように、何だか眼の状態が変わってきたなぁ…と思ったら、
速やかに相談にいらして下さいね✨
一番良いのは、今回のNさんのように、違和感が出てきたら、
速やかに相談できるような関係性を、
メガネ店さん側と築いておけると一番良いですね!笑

Nさん、本当に永いお付き合いを頂き、ありがとうございます。
これからもどうぞ宜しくお願いします!