【事例紹介】遠近両用は『顔を動かす』ことで、遠く~近くが見えるレンズ設計のメガネです。遠近両用の設計と使い方編

【事例紹介】遠近両用は『顔を動かす』ことで、遠く~近くが見えるレンズ設計のメガネです。遠近両用の設計と使い方編

こんにちは、人にやさしく、メガネにもやさしい、福井県福井市のメガネ店、SAKAIです。
本日のテーマは「遠近両用メガネ」です。
実は今回の事例は、あまりにも衝撃的すぎて、眼鏡学校の先輩との間で、
今でも語り草になっているほどの衝撃事例になっております…(;^_^A
今回も長くなりそうなので、2回に分けてお届けをさせて頂きます。

巷では遠近両用について、

遠近両用、お友達が作ったんだけど、
階段を踏み外したり、ぐわんぐわんして、とにかく掛けられなかったり、
遠近なのに近くが見えないって言ってたから、遠近両用は、良くないメガネ。

なんて、色々な都市伝説がまことしやかに囁かれていて、
それを鵜呑みにされている方も多いのではないか?と思います。
そもそもそれが本当なら、うちのお店で遠近作ったお客さまは、
全員が階段踏み外して病院送りですよ笑

もちろん、遠近両用に慣れるための努力も必要ですよ?
ピアノ初心者の人が、いきなりショパン弾きこなせないのと同じですからね。
今回は、遠近両用に纏わる都市伝説を、お客さまの実体験も交えながら、
根底から全否定したいと思います。

合わせて今回のお客さまのような被害者が増えないために、遠近両用の仕組みについても、
本日は、ご説明させて頂きたいと思います。

主婦業(50代・女性)
坂井さん、初めまして!本日は色々と教えてください。宜しくお願いします。
実は数週間前に他店で作った遠近両用が上手く使えなくて悩んでおります。
あまりにも上手く使えなくて、実はその店舗さんに一度相談に行きました。
その時にオーナーさんから、

「遠近両用は、遠くを見るときは、メガネを思いっきり下げて、
遠くの部分で遠くを見て、近くを見るときは、
メガネを思いっきり上げて近くを見るメガネです!
この設計ができるのは、わたしだけです!」

と豪語されたんですが、本当ですか?
わたし思うんですが、遠近両用は、正面で見た時に、
顔や視線を動かして、遠くや近くを見るもので、
メガネを上げ下げしなくても顔や視線の移動だけで見えるものだと思っていたんですが、
わたしの知識は間違っていたんでしょうか?
本当にそんな不便なことをしないと遠近両用は、使えないんですか?
主人も一緒に遠近両用のレンズ交換を行ったんですが、

「オーナーさんの使い方を実践するならば、
模型を作る時に、メガネをおでこに貼り付けておかないと近くが見えない」
「今までの遠近は快適だったのに、急にワンちゃんの散歩のときに、ワンちゃんがぼやけだした」

と言っているんです。
それに、上げ下げして使っていたら、頭痛と眩暈までしてきました…。

ええー???そんなこと言われたんですか?
それは頭痛と眩暈がして当然ですよ…(;^_^A
だって、使い方そのものが間違っているんですから。
それにうちのお客さん、誰もそんな使い方してませんよ…苦笑
逆に斬新すぎて、別の意味で衝撃的なんですが…(;^_^A
そもそも遠近両用は仰るように、視線や顔を動かすことで、
遠くや近くが自然に見えるメガネのことであって、
フレームを上下させることで遠くや近くを見ることはありません。

それに、フレームをそんなしょっちゅう触っていたら、
フレームが破損しちゃうと思うんですけど…(;^_^A

まずは遠近両用のアイポイントが、きちんと瞳孔中心の位置に入っているのか、
確認をさせて頂きました。

あー…残念ながら、アイポイントが全然合ってないですね…。
中間部分のところにアイポイントが来てますよ。
だから特に、中間近くがきちんと見えないんですよ。

遠近両用はアイポイントがズレるととにかく使えない!

アイポイントってなに?って思う方も多いので、
まずはこの画像をご覧ください。
遠近両用を作るときはこの黄色丸と十字の「瞳孔の中心位置」と、
「レンズの中心位置」をしっかりと合わせることが大切です。
これが大きくずれてしまうと、遠近両用=使い難い。というメガネが出来上がります。
この「アイポイント」を起点にすることで、

  1. 遠くを見るときは、顎を引いて遠くを見る
  2. 中間(部屋の中のテレビなど)を見るときは、少し顎をあげて中間を見る
  3. 近くを見る時は、もう少し顎をあげて、目線を近くのところに落として近くを見る

という「遠近両用」が出来上がります。
今回ご来店頂いたTさまのメガネは、瞳孔中心からずっと下の中間部分に、
アイポイントが設計されておりました(;^_^A

遠近両用の慣れやすさや見え方は、価格に比例する。

えー(+_+)そういう仕組みになっているんですね!
あと、オーナーさんから、

「遠近両用のレンズは安くて良いんだ!」

みたいなことも言われたんですが…本当にそうなんですか?

残念ながら、遠近両用ほど、レンズ価格と見え方が比例するレンズはないですよ…(;^_^A
わたしが低価格のレンズを扱わないのは、そういう理由からです。
そんな低価格のレンズを販売して、
大切なお客さまの仕事の効率を低下させるのがそもそも嫌だし許せません。
見え方も悪いからストレス溜まるし。
わたしは遠近世代ではないのですが、
遠近世代のお母さんや、眼鏡学校の先輩方が、実際に試して、
オッケー!出したレンズしか販売しないんですが、
高品質のレンズほど、歪みが少なく、視界も広く、慣れやすいことが特徴ですよ。

わたし思うんですけど、
低価格のレンズってとにかく、旦那さんもおっしゃってるように、「揺れる」んですよ。
で、それを「揺れなくさせる」方法があって。
本来なら、瞳孔中心で取るアイポイントを、
瞳孔中心から下の下眼瞼縁で取るんですよ。
そうすると、揺れる部分が下の方に来て分からなくなるから、使える。
っていうのはありますね。
ただし、アイポイントが下に来ちゃうから、近用部分はほとんどなくなって、
思いっきりメガネを上にあげないと見えないですね。
結果、遠近両用メガネを作ったのに近くは見えない=遠近両用使えない、ってなりますけど。
このオーナーさんは、そのやり方をされてるのかな?
そしたら、遠近両用のレンズ、安くて良いですもんね~。
揺れるのごまかせるし。

その後、こちらのお客さまが、HOYAの雅 と HOYAの極(単焦点のような広い視界が特徴のレンズ)で、
メガネを当店で作って下さって、雅と極の違いの詳細なレポートを寄せてくださいました。
(視機能編についてはまた後日、書かせて頂きます。)

坂井さん、こんにちは!遠近両用、とっても快適です!
以前の店舗では、受け取ったときから近くも見えなかったし、
そこからグワングワン揺れ出して不快だったんですが、
今は、近くも遠くも見えるし、揺れることもなくて、本当に快適です!
遠近両用って、こんなに快適なレンズだったんですね~(^^)
それから実は、極と雅、両方使ってみて、もう雲泥の差だと思いました!

まずは今使っている雅から…。
雅ももちろん良いレンズなんですが、極と使い比べた時に、
合わないメガネを掛け続けて、ピント合わせが苦手になってしまっているわたしの眼では、
夕方になってきた時に、雅だと、近くにピントが合わせられないんです。
あと、綺麗に見えていると思っていたけれど、極と比較すると、
何となく、滲んで見える。

それで、極です。
極は、まず視界がビックリするぐらい広い。
極を選んで先に使っていた主人が、

「極はすごい視界が広くて、朝から晩まで、これ1本で仕事がらくらく出来ちゃう!」

と言っていた通り、視界が本当に広くて、
まずは、遠近両用は顔を動かして使うことが一般的だったと思っていたんですが、
極は側方視野も広すぎて、視線の移動ですべてが事足ります!
それに、近くも遠くもくっきりはっきり見えて、ストレスゼロ。
それから一番びっくりしたのが、
夕方になって疲れてきた時に、雅だと頑張れなかった近くのピント合わせが
極だともうひと踏ん張り出来ました(/・ω・)/✨


あと、雅のレンズの方が、玉型が小さいと思っていたんですが、
極のメガネと比較したら、両方とも同じサイズでビックリしました。
視界が広いから、極を入れたメガネの方が、大きいと勘違いしてました。

合わないメガネで視機能にダメージが出ている人ほど、
高品質のレンズを選んでほしいと思いました。
そうすることで、眼も身体も楽になります。

えー👀そんな違いがあったんですかー!調節まで楽になるってすごい!
そういうレポートは、先輩方やわたしの母では出来ないレポートです。
なぜなら、視機能が整った上で使っているからです。

これで、以前のメガネ店のオーナーさんが仰っていた、

「遠近両用のレンズは安くて良いんだ!」

「遠近両用は、遠くを見るときは、メガネを思いっきり下げて、
遠くの部分で遠くを見て、近くを見るときは、
メガネを思いっきり上げて近くを見るメガネです!」


という言葉が、全く間違っていることも、しっかりと実証出来ましたね✨
だいたい遠近両用に不満を抱いている方は、

・たたき台となる度数が間違っている
・アイポイントも間違っている
・レンズ設計が視環境と合っていない


このどれかか、複合パターンだと思われます。

ちなみにわたしはこの一件から、レンズのお薦め方法を変えました。
以前は、価格と、見え方をお伝えした上で、お客さまに選んで頂いていたんですが、
当店にお越しになるお客さまの大半が、合わないメガネで、
視機能が崩れてしまっているため、Tさまの口コミを交えながら、
視機能が崩れてしまっている人ほど、極をお薦めするようになりました。

今回のお客さまがお持ち込みになられたメガネは、
遠近両用のアイポイントもグダグダだったんですが、
度数ももちろんグダグダでした…(;^_^A💦
それについて次回は、比較検証を行っていきます。
どうぞお楽しみに~!!

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